鍼灸師が月経不順についての原因を徹底解説

妊娠に大きく関わる生理周期。

体が不調になると不順なり、当院でもたくさんの方が悩んでいます。

鍼灸師が西洋医学、東洋医学の両面からその原因を詳しく解説していきます!

目次

月経不順とは

月経不順とは月経周期(25日〜38日)が正常な周期より

①早くなる

②遅くなる

③早くなったり、遅くなったり

の状態になり、月経と月経の間の日数に変化が起こることをいいます。

正常な月経周期は25日~38日で、±6日以内のズレは心配ありません。

西洋医学からみた月経不順の原因

女性ホルモンバランスの乱れ

通常、月経は卵巣ホルモン、黄体ホルモンといった女性ホルモンによってコントロールされています。

これら女性ホルモンの分泌は、脳視床下部、脳下垂体、卵巣の3つの器官が連携して行っており、

正常に機能していれば、月経が月に1回始まります。

逆に言えば、脳視床下部、脳下垂体、卵巣のうちのいずれか1つにでも異常が起こると、

月経が始まらなかったり、周期が乱れたりといった問題が発生します。

脳視床下部は、ストレスの影響を受けやすい器官です。

精神的ストレスから視床下部の働きが乱され、ホルモンバランスが崩れて不順になることもあります。

また、激しい運動や無理なダイエットも生理不順の原因となることがあります。

月経不順の種類
〇稀発(きはつ)月経:月経周期が長く、39日以上
〇頻発月経:月経周期が短く、24日以下
〇過長月経:月経の期間が長く、8日以上続く
〇過短月経:月経の期間が短く、2日以内に終わってしまう

東洋医学からみた月経不順

東洋医学では月経不順の原因を考える時には、

  • 体内の熱がうまく流れてるか?
  • 気が不足していたり、滞っていないか?
  • 冷えがないか?

をカウンセリングや体表に表れた反応をみて探っていきます。

月経周期が早まる4つの原因(東洋医学)

①熱によるもの

体質的に元々熱がこもりやすい人、辛い物をよく食べることにより体内に熱がこもってしまうことによる

体にでる症状

・経血量が多い

・経血の色が鮮血(明るい赤)

・紫がかった暗めの色

・喉の渇き

・尿が黄色い

・便が乾燥気味

②ストレスによるもの

ストレスや我慢が長期にわたりあることで、体内で熱が生まれることによる

体にでる症状

・月経の周期が7日以上早まる

・1カ月に2回月経がくる

・経血に血の塊が混じる

・乳房、胸脇、下腹部の張る痛み

・イライラしやすい

・口の中が苦く感じる

③慢性疾患によるもの

慢性的に疾患があると体内の陰と陽のバランスが崩れ、熱が生まれてしまうことによる

体にでる症状

・月経の周期が7日以上早まる

・1カ月に2回月経がくる

・経血量が少ない

・経血がさらさらしておらず粘り気がある

・不眠

・手足のほてり

・口や喉の渇き

・毎日一定の時間帯になると熱が出る

・寝汗

④体力が少ないことによるもの

体質が元々虚弱な人は飲食のバランスや働きすぎ、活動のし過ぎにより、血液に影響が出てしまうことによる

体にでる症状

・月経の周期が7日以上早まる

・1カ月に2回月経がくる

・経血量は多い

・経血の色が淡い

・経血が薄くさらさらしている疲れやすい

・動悸

月経が遅れる4つの原因(東洋医学)

①外からの体の冷えによるもの

月経の時や産後に環境の気温が寒かったり、冷たいものを好んで飲食すると体が冷えてしまうことによる

体にでる症状

・月経の周期が7日以上遅れる

・40~50日に1回しか月経が来ない

・経血量が少ない

・経血の色が暗い赤

・下腹部の痛み(温めると良くなる)

・顔色が青白い

・四肢の冷え

・寒がり

②自分の体で熱をつくれず冷えてしまう

体質的に病弱で体を温められない、長い期間病気を患っていたり、性生活が多すぎるとうまく体を温めることができず冷えてしまうことによる

体にでる症状

・月経の周期が7日以上遅れる

・40~50日に1回しか月経が来ない

・経血量が少ない

・経血の色が暗い赤

・下腹部の痛み(温めると良くなる)

・顔色が青白い、四肢の冷え、寒がり

③ストレスによるもの

普段からストレス、我慢の多い生活をしていることによるもの

体に出る症状

・月経の周期が7日以上遅れる

・40~50日に1回しか月経が来ない

・経血量が少ない

・下腹部の張ったような痛み

・胸脇の不快感、

④血が少ないことによるもの

病気後や出産後による血の不足、食べ物や過労により胃腸が弱り血を作ることができないことによるもの

体にでる症状

・月経の周期が7日以上遅れる

・40~50日に1回しか月経が来ない

・経血量が少ない

・経血がさらさらしている

・下腹部がシクシク痛む

・皮膚の乾燥

・目のかすみ

・動悸

月経が早まったり、遅れたりする2つの原因

①ストレスや我慢によるもの

日々のストレスや我慢が重なり、うまく発散できていないことにより起こる

体にでる症状

・経血量は多かったり、少なかったりする。

・月経前に乳房や下腹部が張り痛む

・月経が来れば痛みは軽減する胸の不快感

・ため息をつく

・くよくよしやすい

②疲れによるもの

生活習慣が不規則。睡眠不足や健康的な食品を摂取できていない。

体にでる症状

・経血量は少ない

・顔色が暗くなる

・めまい

・耳鳴り

・腰のだるさ

・夜間頻尿

・下痢

さいごに 〜鍼灸で体質改善〜

大変長くなりましたが、西洋医学ではお薬で調整できるように、

東洋医学の鍼灸でも月経不順に対応しております。

特に妊娠を考えている方は、早めに鍼灸で体質改善しておくこともおすすめです。

目次